コラム
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2020.06.16
吉形医師 健康
免疫機能にかかわる「ビタミンD」の重要性
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどの感染症を予防するためには、免疫力を高めることが重要だと考えられています。そこで期待されているのが、免疫機能を調節する栄養素「ビタミンD」。今回は、免疫機能にかかわる「ビタミンD」の働きや効果的な摂取方法をお伝えします。
そもそも免疫とは?
免疫とは、ウイルスなどの有害な物質から体を守る仕組みのことをいい、免疫力は体に入ってきたウイルスなどと戦う力のことをいいます。体内にウイルスが侵入してきたとしても排除して、病気にならないような働きをしてくれるのが免疫機能です。免疫力が低い人はウイルスに対しての抵抗力が弱いため、感染症だけではなく、様々な病気にかかりやすくなります。一方で免疫力が高い人はウイルスに対する抵抗力が強いため、病気にかかりにくく健康な状態でいることができるのです。
「ビタミンD」はどんな働きをしてくれるの?
「ビタミンD」には、免疫機能を調節する働きがあります。体内にウイルスが侵入してきた際に不要な免疫反応に抵抗し、必要な免疫機能を促す役割を果たしています。このため、インフルエンザ、風邪や肺炎などの感染症への効果も期待されています。
また免疫機能の調節だけでなく、骨を丈夫にする働きもあります。骨の石灰化を促進して骨密度を増加させるため、骨折の予防や抑制へとつながります。
ビタミンは通常、体内での生成ができないので食品などから摂取する必要がありますが、「ビタミンD」は日光に当たることによって、体内で生成することができるという特徴があります。
効率的な「ビタミンD」の摂取方法
「ビタミンD」を効率的に摂取する方法とポイントをお伝えします。
適度な日光浴から取り入れましょう
私達の皮膚には、「ビタミンD」になる前のビタミンD前駆体があり、紫外線が当たることによって「ビタミンD」が作られます。そのため、1日20~30分程度の散歩やウォーキングなど、外に出る習慣を作りましょう。
「ビタミンD」を多く含む食品から摂取しましょう
「ビタミンD」は魚介類、特に魚の皮に多く含まれているため、皮も残さず食べましょう。さらに、きのこ類にも多く含まれます。紫外線が当たることで、含有量が増加するため、調理前に2~3時間天日干しをしてから調理するとよいでしょう。「ビタミンD」は熱に強いので、焼く、ゆでる、揚げるなど様々な調理方法が可能です。
「ビタミンD」摂取時の気を付けたいポイント
紫外線に当たらない方や、きのこ類や魚介類が苦手な方などはサプリメントで摂取するのもよいでしょう。厚生労働省は高齢者の栄養不足やフレイル防止の目的から2020年に日本人成人男女の1日ビタミンDの摂取基準を8.5㎍に引き上げました。また、骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでの推奨量は1日10〜20μgとさらに高い基準となっています。
成人の1日ビタミンD摂取の上限は100㎍とされており、複数のサプリメントを使用している方は、組み合わせによっては、上限量を超えてしまうことがありますので、各成分の含有量を十分に確認してから摂取しましょう。また基礎疾患などに対する服薬中の方がサプリメントを使用する場合も、組み合わせによっては効果を最大に発揮できないこともありますので、使用前に医師や管理栄養士などに相談しましょう。
最後に、日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニックの人間ドック・健康診断のオプション検査で「ビタミンD欠乏症」かどうかを調べる検査があります。普段の生活ではどうしても不足しがちな為、効果的に摂取できるよう対策を取るためにも、ぜひ一度、受診してはいかがでしょうか。
監修者プロフィール
吉形 玲美 (よしかた れみ)医師
医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科
1997年東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学病院産婦人科の臨床現場で、婦人科腫瘍手術をはじめ産婦人科一般診療を手掛けながら、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究に携わる。2010年~2016年まで浜松町ハマサイトクリニック院長を務める。2020年6月からグランドハイメディック倶楽部 ハイメディック東京日本橋コース 倶楽部ドクターに就任。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどの感染症を予防するためには、免疫力を高めることが重要だと考えられています。そこで期待されているのが、免疫機能を調節する栄養素「ビタミンD」。今回は、免疫機能にかかわる「ビタミンD」の働きや効果的な摂取方法をお伝えします。
そもそも免疫とは?
免疫とは、ウイルスなどの有害な物質から体を守る仕組みのことをいい、免疫力は体に入ってきたウイルスなどと戦う力のことをいいます。体内にウイルスが侵入してきたとしても排除して、病気にならないような働きをしてくれるのが免疫機能です。免疫力が低い人はウイルスに対しての抵抗力が弱いため、感染症だけではなく、様々な病気にかかりやすくなります。一方で免疫力が高い人はウイルスに対する抵抗力が強いため、病気にかかりにくく健康な状態でいることができるのです。
「ビタミンD」はどんな働きをしてくれるの?
「ビタミンD」には、免疫機能を調節する働きがあります。体内にウイルスが侵入してきた際に不要な免疫反応に抵抗し、必要な免疫機能を促す役割を果たしています。このため、インフルエンザ、風邪や肺炎などの感染症への効果も期待されています。 また免疫機能の調節だけでなく、骨を丈夫にする働きもあります。骨の石灰化を促進して骨密度を増加させるため、骨折の予防や抑制へとつながります。
ビタミンは通常、体内での生成ができないので食品などから摂取する必要がありますが、「ビタミンD」は日光に当たることによって、体内で生成することができるという特徴があります。
効率的な「ビタミンD」の摂取方法
「ビタミンD」を効率的に摂取する方法とポイントをお伝えします。
適度な日光浴から取り入れましょう
私達の皮膚には、「ビタミンD」になる前のビタミンD前駆体があり、紫外線が当たることによって「ビタミンD」が作られます。そのため、1日20~30分程度の散歩やウォーキングなど、外に出る習慣を作りましょう。
「ビタミンD」を多く含む食品から摂取しましょう
「ビタミンD」は魚介類、特に魚の皮に多く含まれているため、皮も残さず食べましょう。さらに、きのこ類にも多く含まれます。紫外線が当たることで、含有量が増加するため、調理前に2~3時間天日干しをしてから調理するとよいでしょう。「ビタミンD」は熱に強いので、焼く、ゆでる、揚げるなど様々な調理方法が可能です。
「ビタミンD」摂取時の気を付けたいポイント
紫外線に当たらない方や、きのこ類や魚介類が苦手な方などはサプリメントで摂取するのもよいでしょう。厚生労働省は高齢者の栄養不足やフレイル防止の目的から2020年に日本人成人男女の1日ビタミンDの摂取基準を8.5㎍に引き上げました。また、骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでの推奨量は1日10〜20μgとさらに高い基準となっています。
成人の1日ビタミンD摂取の上限は100㎍とされており、複数のサプリメントを使用している方は、組み合わせによっては、上限量を超えてしまうことがありますので、各成分の含有量を十分に確認してから摂取しましょう。また基礎疾患などに対する服薬中の方がサプリメントを使用する場合も、組み合わせによっては効果を最大に発揮できないこともありますので、使用前に医師や管理栄養士などに相談しましょう。
最後に、日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニックの人間ドック・健康診断のオプション検査で「ビタミンD欠乏症」かどうかを調べる検査があります。普段の生活ではどうしても不足しがちな為、効果的に摂取できるよう対策を取るためにも、ぜひ一度、受診してはいかがでしょうか。
監修者プロフィール
吉形 玲美 (よしかた れみ)医師
医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科
1997年東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学病院産婦人科の臨床現場で、婦人科腫瘍手術をはじめ産婦人科一般診療を手掛けながら、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究に携わる。2010年~2016年まで浜松町ハマサイトクリニック院長を務める。2020年6月からグランドハイメディック倶楽部 ハイメディック東京日本橋コース 倶楽部ドクターに就任。
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