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コラム

2020.05.13
吉形医師 健康

免疫力向上、美肌、心の安定、女性の体を守る「女性ホルモンの力」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的な広がりを見せる中、性別による重症化の違いが指摘されています。

日本では、感染症発生動向調査*(NESID)へ届出られた症例4,050例のうち、男女比は1.4:1(男性2,373例、女性1,677例)で男性に多いことがわかりました*。また、米紙ニューヨーク・タイムズの報道によると、アメリカ・ニューヨーク市全域で、男性の感染者数は女性を上回り、更に死亡率も女性の2倍近くになるというデータが明らかになったといいます。(*2020年4月8日現在)

なぜ男女の違いがでたのでしょうか。それには女性ホルモンが影響しているといわれています。そこで様々な働きのある女性ホルモンについてみていきましょう。

女性の体を外敵から守る女性ホルモン

女性の体には、体の仕組みをコントロールする女性ホルモン、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。この2つの女性ホルモンは、初潮を迎えると、排卵周期と連動し分泌が始まります。そして一定のリズムでそれぞれの分泌量のバランスが変化することによって、月経が発来し心身のバランスが保たれているといえます。そのうちエストロゲンには、免疫細胞がウイルスをはじめとした異物に攻撃するのを活性化させる性質があるといわれています。

女性の役割である妊娠や出産は、命がけで体に大きな負担をかけるものです。安全に赤ちゃんを産むためにも、女性の体には外敵から守ろうとする作用が備わっているといえます。自分の体の中の異物に反応して自らの免疫細胞が自らの体にダメージを与えてしまう、自己免疫疾患という病気があります。その代表に関節リウマチが挙げられますが、その患者さんの多くは女性であることが知られています。

このことからも分かるように、エストロゲンは免疫力に大きく関わっているといえるでしょう。また、エストロゲンには、肌を美しく、髪をつややかに、また血管をしなやかに保ったり、骨量を増やすほか、脳の活性化、自律神経を調整したりする働きがあります。女性の体は女性ホルモンによって守られているといっても過言ではありません。

「エクオール」で女性ホルモンパワーを補いましょう

女性の体を守ってくれている女性ホルモンですが、その分泌が急激に減少する更年期に差し掛かると、体に様々な不調をもたらします。代表的なのがホットフラッシュ肩こりイライラなどです。

それらの症状を軽減させてくれるのが「エクオール」という成分です。エクオールは、大豆に含まれる大豆イソフラボンの一種である「ダイゼイン」が、「エクオール産生菌」という腸内細菌によって代謝され作られます。これは、女性ホルモンの「エストロゲン」と同じような働きをしてくれるので、女性ホルモンの分泌が急激に減少する、更年期以降の女性のヘルスケアに幅広く寄与するものになります。

大豆食品を食べて大豆イソフラボンを摂取し、それがエクオール産生菌によってエクオールに変換されて初めて良い効果が期待できるのですが、日本人の中では、エクオールを自ら作ることができるのはおよそ3人に1人といわれています。エクオールを産生できない方にはエクオール含有のサプリメントを飲んでいただくことがおすすめです。

エクオールを産生できる方でも、食生活や体調によって産生量に差が出ることがあるので、エクオールを作れる・作れないにかかわらず、サプリメント摂取はおすすめの方法です。また食生活の見直しによりエクオールを作れるような身体づくりも大切です。

日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニックの人間ドック・健康診断のオプション検査で「エクオールチェック」が可能です。簡単な尿検査で、「エクオール」が腸内でつくれているかどうか調べることができる検査です。まずはご自身の身体の状態を知って食習慣や生活習慣を見直し、これからの健康管理に役立ててみませんか?

 

監修者プロフィール

吉形 玲美 (よしかた れみ)医師
医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
専門分野:婦人科

1997年東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学病院産婦人科の臨床現場で、婦人科腫瘍手術をはじめ産婦人科一般診療を手掛けながら、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究に携わる。2010年~2016年まで浜松町ハマサイトクリニック院長を務める。2020年6月からグランドハイメディック倶楽部 ハイメディック東京日本橋コース 倶楽部ドクターに就任。

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