コラム
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2020.05.26
健康 人間ドック・健診
人間ドックは不要不急?
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の全国解除が決まり、今後は、感染再拡大をいかに防ぐかが重要となっています。
東京都は、休業要請の緩和を4つのステップを設けて段階的に進める方針で、感染拡大が抑えられていることを前提に、早ければ今週末から緩和の対象徐々に広げることを検討しています。
感染再拡大を防止するために、私達はどこまで何を自粛するべきか悩むところです。例えば毎年受けている人間ドックや健康診断、緊急事態宣言発令中は足が遠のいた、という方もいらっしゃるかと思います。「新しい生活様式」の提言もなされる中、人間ドックや健康診断は不要不急なのでしょうか。
がんや基礎疾患の発見が遅れるリスクも忘れずに
新型コロナウイルス感染症は高齢者や基礎疾患(心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍(がん)、慢性呼吸器疾患など)をお持ちの方が感染すると、重症化するリスクが高いことが報告されています※。これら基礎疾患の中には、自覚症状のないものも多く、知らぬまま感染して重症化してしまうことも少なくないと思われます。
また、コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合、自身が感染したくないために自覚症状があっても医療機関の受診を避ける、人間ドックや健康診断を避けるといったことで、がんや心疾患、脳血管疾患など命に係わる他の病気の発見が遅れてしまうリスクもあります。
心血管疾患のリスク因子、動脈硬化
新型コロナウイルスによる併存疾患の死亡率の高い心血管疾患のリスク因子は動脈硬化で、これは心筋梗塞や脳梗塞といった突然死にもつながり、気づかないうちに進行してしまうとても怖い病気です。糖尿病とも密接に関わっています。
健康診断における動脈硬化の発見には、以下のような項目をチェックします。
- ・血圧
- 最高血圧が120mmHg以下、かつ最低血圧が80mmHg以下ですので、最高血圧135mmHg以上、最低血圧85mmHg以上なら要注意。
- ・ヘモグロビンA1c
- 6.5%以上が続くと糖尿病と診断されますが、6.0%になった時点で予備軍です。正常高値の範囲とされる5.6%くらいから炭水化物のとり過ぎに注意して、5.9%以内を維持するように努めましょう。
- ・悪玉(LDL)コレステロール
- 要医療となる基準値は140mg/dlですが、できれば120(mg/dL)以内、善玉(HDL)コレステロールは高いほうがいいので60(mg/dL)以上を目指しましょう。また、LDL/HDL比も2未満も目標となります。
- ・肝機能
- AST(GOT)、ALT(GPT)、ガンマGTPの数値(IU/L)が、いずれも30以内であることが一つの目安。
年に一度は健康状態を客観的に評価する機会を
もちろん、外出を自粛すべき時に無理に検査を受ける必要はありませんが、人間ドックなどで定期的に自分の身体を調べ、基礎疾患の有無を確認しておくことは健康を守るうえで大切なことです。もし病気があればこういったウイルスの拡大期に意識的に自衛を強め、感染リスクを低下させることができます。日頃から、年に一度は自身の健康状態を客観的に評価する機会を作るようにしたいものです。
感染症対策
当クリニックでは、新型コロナウイルス感染症に対する徹底した安全対策の取り組みを行っております。詳しくは以下をご覧ください。
○新型コロナウイルス感染予防策について>>
※ 新型コロナウイルスによる併存疾患の死亡率:心血管疾患10.5%、糖尿病7.3%、慢性呼吸器疾患6.3%、高血圧6.0%、がん5.6%(中国疾患コントロールセンター20/2/24発表)
監修者プロフィール
山門 實 医師
医療法人社団ミッドタウンクリニック 元顧問
日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック 元常任顧問
三井記念病院総合健診センター 特任顧問
足利大学看護学部 客員教授
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の全国解除が決まり、今後は、感染再拡大をいかに防ぐかが重要となっています。 東京都は、休業要請の緩和を4つのステップを設けて段階的に進める方針で、感染拡大が抑えられていることを前提に、早ければ今週末から緩和の対象徐々に広げることを検討しています。
感染再拡大を防止するために、私達はどこまで何を自粛するべきか悩むところです。例えば毎年受けている人間ドックや健康診断、緊急事態宣言発令中は足が遠のいた、という方もいらっしゃるかと思います。「新しい生活様式」の提言もなされる中、人間ドックや健康診断は不要不急なのでしょうか。
がんや基礎疾患の発見が遅れるリスクも忘れずに
新型コロナウイルス感染症は高齢者や基礎疾患(心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍(がん)、慢性呼吸器疾患など)をお持ちの方が感染すると、重症化するリスクが高いことが報告されています※。これら基礎疾患の中には、自覚症状のないものも多く、知らぬまま感染して重症化してしまうことも少なくないと思われます。
また、コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合、自身が感染したくないために自覚症状があっても医療機関の受診を避ける、人間ドックや健康診断を避けるといったことで、がんや心疾患、脳血管疾患など命に係わる他の病気の発見が遅れてしまうリスクもあります。
心血管疾患のリスク因子、動脈硬化
新型コロナウイルスによる併存疾患の死亡率の高い心血管疾患のリスク因子は動脈硬化で、これは心筋梗塞や脳梗塞といった突然死にもつながり、気づかないうちに進行してしまうとても怖い病気です。糖尿病とも密接に関わっています。
健康診断における動脈硬化の発見には、以下のような項目をチェックします。
- ・血圧
- 最高血圧が120mmHg以下、かつ最低血圧が80mmHg以下ですので、最高血圧135mmHg以上、最低血圧85mmHg以上なら要注意。
- ・ヘモグロビンA1c
- 6.5%以上が続くと糖尿病と診断されますが、6.0%になった時点で予備軍です。正常高値の範囲とされる5.6%くらいから炭水化物のとり過ぎに注意して、5.9%以内を維持するように努めましょう。
- ・悪玉(LDL)コレステロール
- 要医療となる基準値は140mg/dlですが、できれば120(mg/dL)以内、善玉(HDL)コレステロールは高いほうがいいので60(mg/dL)以上を目指しましょう。また、LDL/HDL比も2未満も目標となります。
- ・肝機能
- AST(GOT)、ALT(GPT)、ガンマGTPの数値(IU/L)が、いずれも30以内であることが一つの目安。
年に一度は健康状態を客観的に評価する機会を
もちろん、外出を自粛すべき時に無理に検査を受ける必要はありませんが、人間ドックなどで定期的に自分の身体を調べ、基礎疾患の有無を確認しておくことは健康を守るうえで大切なことです。もし病気があればこういったウイルスの拡大期に意識的に自衛を強め、感染リスクを低下させることができます。日頃から、年に一度は自身の健康状態を客観的に評価する機会を作るようにしたいものです。
感染症対策
当クリニックでは、新型コロナウイルス感染症に対する徹底した安全対策の取り組みを行っております。詳しくは以下をご覧ください。○新型コロナウイルス感染予防策について>>
※ 新型コロナウイルスによる併存疾患の死亡率:心血管疾患10.5%、糖尿病7.3%、慢性呼吸器疾患6.3%、高血圧6.0%、がん5.6%(中国疾患コントロールセンター20/2/24発表)
監修者プロフィール
山門 實 医師
医療法人社団ミッドタウンクリニック 元顧問
日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック 元常任顧問
三井記念病院総合健診センター 特任顧問
足利大学看護学部 客員教授
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