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コラム

2020.05.14
健康

「腸」を整えて、免疫力をアップさせましょう

人間の免疫力は、20代をピークとして加齢とともに衰えるといわれています。免疫力の低下で、風邪や感染症にかかりやすい、がんなどの重篤な疾病を発症する可能性が高まることが知られています。

免疫力の鍵を握っているのは、実は「腸」であることをご存知でしょうか。腸は私たちの体をさまざまな病気から守る重要は役割を果たしているのです。 いつまもでも健やかな毎日を送るために、知られざる腸の働きと、腸内環境の整え方についてご紹介いたします。

腸には免疫細胞が大集結!

腸は食べ物を消化吸収するだけでなく、全身の免疫を司るという重要な役割を果たしています。人間の腸には病原菌やウイルスなどの外敵を退治してくれる「免疫細胞」が集結し、その数は全身の7割を占めるといわれています。そして腸内の免疫細胞は良質な「腸内細菌」によって強くなります。腸内細菌は1,000種、100兆個を超えるといわれています。腸内細菌のバランスを整え、その結果、免疫細胞が活性化されれば、免疫力が向上するのです。

腸内細菌を活発にするには?

それでは、どのようにすれば腸内細菌のバランスを整えられるのでしょうか。

①まずは食物繊維からとりましょう!

食べるものよりも、まずは食べ方を意識しましょう!同じ物でも、食べ方や組み合わせを変えるだけで、体への影響がまったく違います。よく「ベジタブルファースト」といいますが、体は最初に体内に入ってきた物から積極的に取り入れようとするので、菌の栄養になる食物繊維から先にとるのは、菌を産生させる上でも理にかなった食べ方です。 好きな物から食べるのではなく、何から食べるといいかを考えるだけでも、体への影響は変わってくるはずです。

②腸を温めましょう!

低体温は腸内細菌が減少する原因のひとつですので、腸を温めることはとても重要です。0.5℃体温が上がれば免疫力が30%上がるともいわれていますから、腸のためにも病気の予防のためにもぜひ腸を温めて続けてください。これからの季節、冷房などをつけた場合もおなかを冷やさないように工夫しましょう。腹巻きやお腹全体を包み込むような大きなパンツを履くなど有効です。

③「シンバイオティクス」を実践しましょう!

シンバイオティクスとは、善玉菌を多く含む食品(プロバイオティクス)と、その栄養となる物(プレバイオティクス)を組み合わせてとる食べ方です。

<プロバイオティクスとは>
生きたまま腸に届く善玉菌やそれを含む食品のことをいいます。ビフィズス菌や、乳酸菌、納豆菌などです。ヨーグルトやみそ、キムチ、ぬか漬け、納豆などが主な食品です。

<プレバイオティクスとは>
腸内の善玉菌の栄養になって、善玉菌の増殖を促す成分や食品のことをいいます。水溶性食物繊維やオリゴ糖などです。野菜や果物、こんにゃく、海藻きのこ類、はちみつなどが主な食品です。

別々の食べものを組み合わせるシンバイオティクスを実践するのはむずかしそうに感じますが、朝食に「ヨーグルトにバナナを入れてはちみつをかける」だけでOKです。 特にヨーグルトは腸を整えるには打ってつけの食べ物です。是非食生活に取り入れましょう。

④ストレスを溜めず、心を健やかにすることも腸内環境を整えるには有効!

腸と心はつながっています。日常の中から愉しみを見つけて、おもしろがって生きていくことも、腸にはとても良いことです。

腸に良いことを生活に取り入れ、免疫力をアップし、いつまでも健やかで自分らしい毎日を目指してみませんか。

日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニックでは消化器内科を開設しています。腸内環境にお悩みの方は、ぜひご相談ください。

 

監修者プロフィール

大久保 栄高(おおくぼ ひでたか)医師
日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック 消化器内科医
九州大学医学部卒。JCHO九州病院での初期研修、国立国際医療研究センター消化器内科での後期研修、医員を経て、現職。

【認定資格】
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本食道学会 食道科認定医

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