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コラム

2020.06.09
健康

低体温だと免疫力が低下するってホント?

35度台は低すぎる? 体温と免疫力の深い関係

健康的な平熱は、個人差もありますが、成人で36度~37度とされています。人間の体にあるさまざまな器官や機能は、この体温の範囲内で正常に働くように構成されています。

しかし最近では、平熱が35度台という低体温の人が増えているようです。低体温になると、血管が収縮して血液の流れが悪くなります。血液の中には、免疫機能を持った白血球が存在しているため、必然的に病気から身体を守る免疫力も低下します。そうなると風邪や感染性胃腸炎などの感染症に罹る可能性が増すことが考えられます。このように、低体温は免疫力に深く関係していますので、体温を上げ、体のすみずみまで血液の循環を良くすることは健康的な体づくりに欠かせないアプローチです。

低体温の人の体質改善、3つの方法

①低体温の人こそ「腸内環境」を見直す!

腸内環境?と思う方も多いと思いますが、免疫細胞の約7割が集結しているとされる「腸」は免疫機能を維持する上でとても重要な役割を果たしているため、低体温の人こそ、まずは腸内環境を整えることが重要です。おすすめは、善玉菌を多く含む食品(プロバイオティクス)と、そのエサとなる物(プレバイオティクス)をいっしょにとる「シンバイオティクス」と呼ばれるやり方。アイラシイ_「健康"腸"寿」――知られざる腸内細菌の力を知ろう、より抜粋

【プロバイオティクス】

生きたまま腸に届く善玉菌やそれを含む食品のことを言います。ビフィズス菌や、乳酸菌、納豆菌などです。ヨーグルトやみそ、キムチ、ぬか漬け、納豆などが主な食品です。

【プレバイオティクス】

腸内の善玉菌のエサになって、善玉菌の増殖を促す成分や食品のことを言います。水溶性食物繊維やオリゴ糖などです。野菜や果物、こんにゃく、海藻、きのこ類、はちみつなどが主な食品です。

これらの食事をかけあわせてとるのが有効です。一瞬むずかしそうに感じますが、朝食に「ヨーグルトにバナナを入れてはちみつをかける」だけでOKなのです。

②意識的に体を動かし、筋力アップ!

低体温の原因のほとんどが、筋肉量の低下とされています。運動をして筋肉を動かすことで代謝が良くなり、熱が産生されやすくなります。筋肉を動かすことで体の末端まで血液が循環しますので、日常的に体を動かすようにすると良いでしょう。ジム通いなど、特別な運動をする必要はありません。なるべく多く歩くようにし、その際は大股で早歩き、エレベーターやエスカレーターをなるべく使わず階段を上る、テレビを見るときにはストレッチをしながら…など、まずは生活の中でできることを実行してみてください。

③漢方薬で体を整える!

漢方薬は、冷えそのものや、冷えが原因で出てくる様々な不調に対応できます。体が冷えるからといって、必ずしもなにか重大な病気があるという事でありません。なにか重大な病気があるという事でありません。いわゆる「未病」のうちに漢方を利用するのもひとつの手なのです。

不調を改善する手助けをするものとして、最近では専門の医師による漢方外来を開設している総合病院や大学病院が増えてきました。一般の内科や婦人科などでも漢方を処方してくれるところがあります。単に冷えるといっても、人によって使う漢方薬は千差万別。代謝をあげていくような漢方薬や血行を良くする漢方薬などたくさんあります。ただし漢方薬でもまれに副作用が出ることがありますので、まずは医師の診断を受けて使用することが大切です。医師の処方箋があれば、ほとんどの場合、健康保険が使えます。また、漢方薬だけに頼るのではなく、食事や睡眠、運動といった生活の一つひとつを見直す事も必要です。アイラシイ_未病の不調に…漢方で整えるカラダ、より抜粋

いかがでしたか。最近は新型コロナウイルス感染症対策として、毎日検温をしているという方も多いはず。あれ?低体温かもと思った方は、日頃から体温をあげる生活習慣を意識をしてみてくださいね。

日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニックでは漢方治療もおこなっています。お伝えしたように、人によって使う漢方薬は千差万別です。低体温の原因が何か、漢方で治療が可能かを一緒に探っていきましょう。ぜひ一度ご相談ください。

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監修者プロフィール

半下石 美佐子(はんがいし みさこ)医師

日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック 内科・循環器内科医師

筑波大学医学専門学群卒業。横須賀米海軍病院インターン、東京大学第一内科研修ののち、東京大学第一内科入局。国立国際医療センター循環器レジデント修了後、東京大学第一内科および東京大学循環器内科助手として臨床と研究に従事。2000年より三菱電機本社診療所副所長、2014年三菱電機本社健康増進センター長。2020年4月より日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック勤務。

【認定資格】
日本内科学会 総合内科専門医
日本循環器学会 循環器専門医
日本東洋医学会 漢方専門医
日本医師会 認定産業医

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